電波に関して詳しくはないのですが(間違っていたら是非ご指摘お願いしますm(_ _)m)、1月から使用している【Lenovo YOGA Tablet 2 with Windows SIMフリー】に関して気になる情報があったので共有できれば。
※この問題は、【Windows版】と【Android版】に共通するものです。また、LTEについてはプラチナバンドに対応しています。
タイトルで答えは分かっているのですが、
今回の問題点は、このYOGA Tabletがdocomoの使用している「FOMAプラスエリア」に対応しているのかということ。
障害物に強く屋内まで届きやすい特性を持つゆえにプラチナバンドとも呼ばれ、対応しているか否かで使用可能なエリアが大きく変わるため。
Lenovoのプレスリリース
事の発端は、Lenovoの製品発売に関するプレスリリースの内容。
本製品は高速LTE通信(受信速度最大150Mbps*1,*2)への対応、またFOMAプラスエリアに対応しておりますので、より広いエリアや建物の中でも電波を受信しやすい製品となっております。
詳細はこちら
公式に「FOMAプラスエリアに対応」と 記載されています。
製品仕様書
続いて、製品仕様書の対応バンドに関する記載を確認すると、、、
Windows版
※7 無線アクセス方式の対応規格はLTE(FDD LTE Band 1/3/5/8/19)、W-CDMA(Band 1/2/4/5/8)、GSM (850/900/1800/1900MHz)となります。Android版
※6 無線アクセス方式の対応規格はLTE(FDD LTE Band 1/3/5/8/19)、W-CDMA(Band 1/2/4/5/8)、GSM (850/900/1800/1900MHz)となります。
先のエントリーで対応バンドを表にしたものがこちら。
バンド名 (周波数の単位はMHz) |
docomo |
---|---|
LTE(FDD-LTE) | |
B1(2100) | ● |
B3(1800) | ▲(東名阪のみ) |
B5(850) | |
B8(900) | |
B19(800) | ● |
3G(W-CDMA) | |
B1(2100) | ● |
B2(1900) | |
B4(1700) | |
B5(850) | |
B8(900) |
LTEは800MHz帯のFDD-LTE Band19に対応していますが、3G(W-CDMA)に関しては800MHz帯に対応していない事が分かります。
FOMAプラスエリアとは
名称と電波の使われ方
まず「FOMA」についてWikipediaではこのように説明されています。
FOMA(フォーマ)とは、NTTドコモのIMT-2000 (W-CDMA) サービス。英語: Freedom Of Mobile multimedia Access(マルチメディアへの移動体のアクセスの自由)の略。第3世代移動通信システム(3G)である。
つまり、docomoによってW-CDMA規格で展開されている3G移動通信サービスの名称です。
そして、「FOMAプラスエリア」はというと、
FOMAプラスエリア(ふぉーま ぷらすえりあ)とは、NTTドコモの第3世代移動通信システム携帯電話・FOMAの一部機種で利用できる、800MHz帯のW-CDMA方式によるサービスエリアのこと。2005年に、FOMAサービスエリア(2GHz帯)では電波が届きにくかった山間部などでの電波状況の改善を目的に開始されたが、現在は、都市部とその周辺部での2GHz帯を補完する目的でも使われている。
docomoの3G移動通信サービスFOMA対応エリアの内、800MHz帯でカバーされているエリアの事で、遠く広くまで届く電波特性ゆえに山間部などでのエリア改善で用いられたり、都市部などでは逼迫してきている2GHz帯を補完する目的で用いられているようです。
この目的からも「FOMAプラスエリア」に対応しているか否かが快適に使えるかどうかに大きく関係してくると言えます。
使用周波数・バンド
FOMAプラスエリアの運用方法について、docomoがしっかりとした説明をしていないようです。この分野については知らないことばかりで説明するのがとても難しいのですが、インターネットで私なりに調べた情報をまとめました。
最初にFOMAプラスエリアとして展開されたのが、W-CDMA(UMTS) 800帯のBand6。その後、2012年7月の800MHz帯再編によりBand19として使われるように。
規格として、Band6とBand19の使用周波数は
Band 6:上り 830-840MHz / 下り 875-885MHz
Band19:上り 830-845MHz / 下り 875-890MHz
Band 5:上り 824-849MHz / 下り 869-894MHz(参考)
となっているため、使用周波数的にはBand6はBand19に内包されています。さらにBand19はYOGA Tablet 2が対応しているBand5に内包されています。
しかし、docomoではW-CDMA Band19の扱いが特殊なようで、Band19対応の機種がBand19として使えるのはBand6の使用周波数を除いた部分(上り 840-845MHz / 下り 885-890MHz)だけで運用している場合のみとのこと。つまり、Band19周波数内でもBand6部分を使うためにはBand6とBand19どちらにも対応している必要があるようです。
さらに、同じ800MHz帯はXi(LTE)でも使用されており、FOMAプラスエリアとして電波を吹いているのはほとんどBand6の部分のため、電波的にはBand6を内包しているW-CDMA Band19対応の機種であっても、Band6非対応が原因でFOMAプラスエリアが使えないという現象が起きているようです。
ここまで書いておいて、「~なようで」や「可能性があり」など断言できないの文章ばかりで自分でも情けないのですが確実な情報元となり得るものが見つけられなかったので申し訳ないですm(_ _;)m
ただ、電波調査を行っている方々の報告でそのような予測が立てられているので信ぴょう性は高いと言えそうです。
参考にさせて頂いた記事はこちら
まとめ
対応周波数からも明らかなように、今回の【YOGA Tablet 2 SIMフリー】についてはLenovoのプレスリリースが誤った情報を記載しているのが混乱を与えた原因です。
価格.comのクチコミでこの問題についてレノボに問い合わせた方の情報があり、その中でレノボの回答が「LTEにおいてNTTドコモのFOMAプラスエリア対応しているが、W-CDMAにおいてはBand6に対応していないため使えない」という内容だったとのこと。
確かに、LTE Band19には対応しているので所謂プラチナLTEは使えますが、「FOMAプラスエリア」というのはW-CDMAでのみ用いられるものだという事をメーカーの担当者も認識していなかったために起きた問題と言えるでしょう。
しかし、FOMAプラスエリアについての情報を調べるうちに、この問題の根底にはdocomoがFOMAプラスエリアの運用方法について明らかにしていないこと。加えて、日本国内において電波を発する機器が総務省で定められている技適を通すためにはかなりの費用が必要で、特にスマートフォンなどの様に沢山の周波数に対応している場合、それぞれで認証を取るとそれだけでも費用の面で大きな負担となっているということがあるのではないかと感じました。
これが、ハード的にはBand6/19を掴めるアンテナを持っていても、コスト削減のために技適を通さない(通せない)原因の一つとも言われています。
昨年から大きな盛り上がりを見せているMVNO市場ではSIMフリーのスマートフォンが多く販売されるようになりましたし、大手キャリアにおいても今年の5月から販売される携帯電話がSIMフリーになります。それによって、多くの方が通信機器は自分の好きなものを自由に選んで使うという本来あるべき姿になることを期待しているのですが、現状では対応スマートフォンとして紹介されるようなSIMフリー機であっても十分に電波を掴めないことが多く非常に残念な状況が続いています。
より多くの人にとって使いやすい環境を作りたいのであれば、出すべき情報を開示したり技適の認証手順や方法・費用を簡略化したり緩和といった対策を講じて欲しいと感じました。
訂正や追加情報などありましたら、お気軽にコメントで教えていただけると幸いです。
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